後に擬態をやめるニンゲン

平凡社会人一年生によるなんでもない毎日の気づき

Wordなんていらねぇ!って話

typora っていう神アプリがあってだな...


はじめに

かねてよりmacに変えたいと思っていたのだが、そんなお金はないので、お母さんとノートパソコンを交換した。パソコンの初期設定のために初期化をしたらmicrosoft officeを失ったので、ワードに変わるテキストエディタを入手する必要があった。そこで、兄にお勧めされたtyporaを入れてみたのだが、この「typora」なんでもキーボードで完結できて非常に便利なのだが、いろんなコマンドを知っておかないとtyporaの真の実力を発揮できないので、今日はtyporaのコマンドについて学んでいこうと思う。

このtyporaについての記事を読んで便利そうだなぁなんて思ったら是非使ってみて欲しい。

それでは勉強を始めていく。

そもそもテキストエディタって何?

この疑問から始まる人もかなりいるのではないだろうか。テキストエディタとは、簡単に言えばメモ帳である。iPhoneだったり、小さいノートだったり使ってる人は結構いると思う。私はメモ帳がかなり好きだ。本来の使い方としては、ちょっとしたことを忘れないように書いておく、みたいなことだと思うのだが、メモ帳の可能性は無限大である。自分の思考の整理の場として使ったり、リストの作成をしたり、授業のノートを取ったりとなんでもできる。しかしながら、iPhoneのメモ機能ではさすがに役不足(主に入力速度とか、編集とか)だし、とはいってWordを使うとなると少々大掛かりになるし、ファイルのサイズが大きくなってしまう。そこで、ちょうどいいメモ帳としてこのテキストエディタが登場するわけだ。できることはWordと大差ない(正直相当凝った物作ろうと思わなければ十分な機能)上に、かなりファイルのサイズを抑えられる。1万文字しっかり書いたレポートのサイズはWordファイルだと30KB程度だったのに対して、このテキストエディタだと2KBだったりする。爆発的に要領を削減することができるのだ。

なんとなくティストエディタのことは理解してもらえたかと思うので、ここからは何ができるのかについて学んでいく。

有用な編集とコマンド

まずはテキストの編集に使えるオーソドックスなコマンドから

太文字

文章内で一部分を強調したいときに行う「太文字」から。文字を太くして強調したいときはcommand or ctrl + Bでできる。ちなみに太文字にしたい部分を*二つで囲むことでコマンドを用いずに太くすることもできる。

斜め文字

斜め文字」について。正直全然文章書いたことないし、読んだこともないので、どんな効果出したいときに使うのか全然わからないのだが、斜めにもできるよと。command or ctrl + I でできる。ちなみに*一つで囲むのでもできる。

アンダーライン

アンダーライン」について。これもまたどういう時に使うんだろうか、単純に好みなのかな。こちらは、command or ctrl + Uでできる。文字で打ってやるのは少々めんどくさいのでここでは省略。

ハイパーリンク

最後に「ハイパーリンク」について。これは使い所がわかりやすいな、テキストにリンクをつけて、クリックしたら特定のサイト等に飛べるようにできるやつ。こちらは、command or ctrl + K でできる。これまた文字はめんどくさいので、コマンド推奨。

リスト

リストというのは、箇条書きにするときに番号振って列挙したり、タスクリストを作りたい時に有効なコマンドだ。

順序付きのリストを作るときはmacなら、Cmd+Option+Oでできる。ちなみにOは見やすいように大文字にしているだけで、小文字でオッケー。Windowsでは、ctrl+Shift+[

  1. こんな感じで
  2. 頭に番号をつけて
  3. かけるよ!

ちなみに順不同リストはCmd+Option+Uでできる。

タスク付きのリストは、Cmd+Option+X。はてなブログmarkdownでは対応していないみたいなので打てなかった... Windowsでは[-[]]と記述するとできると書いてありますが、よくわかりません、すみません。自分で調べてみてください。


以上がテキスト編集のコマンドである。文字の色変えたりもできるんだけど、少々面倒くさいので割愛。ここからは文章を見やすく整理したりするためのコマンドを見ていく。

ヘッダー

ヘッダーというのは、テーマをどーんと提示できる超重要な編集。題名、大見出し、見出し、小見出し、といったように6段階の見出しを使い分けることができる。ヘッダーは command or ctrl + 1~6 で使える。

目次

目次はまぁそのまま、この文書の一番上に貼ってあるようなやつのことです。こちらは[toc]で挿入可能。ヘッダーにしているものがクリックで飛べるようされるし、目次はヘッダーさえつければ勝手に追加されて編集されていくので、非常に便利。

脚注

[^xxx]と書くことで脚注をつける事ができる。脚注はレポートとか書くときにはおなじみなので使い方はわかるかと思う。脚注内容は脚注にカーソルを合わせると脚注内容が表示される。試しにつけてみる。

とにかく、考えてみることである。工夫してみることである。そして、やってみることである。失敗すればやり直せばいい。1

引用

引用もつかいかたはお分かりかと思う。引用ブロックをつくって引用であることを一目瞭然にできる。>を半角で文頭につけることでできる。

引用ブロックはこんな感じ。

中線

なんかテーマ変わるときとかに、線を引いて見やすくしたり、何かと便利そうな感じがする中線。書きたい時は -(ハイフン)を三つ書くだけ。なんて簡単で便利なんだ。


おわりに

さて、以上が大体のコマンドだ。

これらをうまく使いこなせば、非常に見やすいメモ帳を作れるのではないだろうか。メモ帳というかもはやノートだよね。こういうの、大学の授業でノートをとるのとかにもすごい便利なんじゃないだろうか。ワード文書作るほどじゃないしなぁとか、ひとまずメモ感覚で書いておくけどいずれはちゃんと文書にするかもしれないとかっていときにすごく重宝する。みんなも是非インストールして使ってみてほしい。


ちなみに、書き忘れてしまったけど、このtyporaはPDFファイルに書き出す他、HTMLでのエクスポートも可能だ。

あ、あと普通にCmd+Sで保存するとかCmd+Zでひとつ戻ったりとか、そういうコマンドは当然使えるので合わせて使っていって欲しい。 画像の挿入も画像持ってきてドラッグ&ドロップでできる。サイズの変換もマウスいらずで、縮小拡大はそれぞれ50%とか150%とか書き込むだけ。

流石に無視できなくなったので「鬼滅の刃」を読んだ話

鬼滅の刃を読んでみて

はじめに

先日、鬼滅の刃を最新話まで読んだ。鬼滅の刃週刊少年ジャンプで連載中の大ヒット漫画だ。連載開始当初私は3話目くらいまでを読んで、絵の見辛さと話の暗さに耐えかねて読むのをやめてしまったのだが、あまりにヒットしていること、友人から面白いから読んでみろとよく言われること、そしてちょうどよく外出自粛でアニメを見る時間があったことを受け、とりあえずアニメをみてみることにした。

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アニメをすらっと見切れてしまった私は、意外と見れてしまったうえ、ちょうどアニメ一期の終わり部分から先をジャンプのデジタル版でダウンロードしてあったこともあり、最新話まで読んでみることにした。

そして昨日、ようやく最新話まで読み終わったので、最新話までの物語を読んでみての鬼滅の刃への感想を書いておこうと思う。


漫画遍歴

最初に、ここまで私が漫画をどれくらい読んできたのかを軽く書いておく。まず、私が初めて読んだ漫画はおそらくワンピースだろう。以来ワンピースの根っからのファンで、その流れから週刊少年ジャンプを中学1年の時に買い始め、以来今日に至るまで10年間購読し続けている。

私はジャンプ漫画をメインに読んでいるが、一番好きな漫画は「鋼の錬金術師」で、そのほかにも「金色のガッシュ!!」や「FAIRYTAIL」など気に入った作品はジャンプに関わらず幅広く読むようにしている。最近のマイブームは「ブルーピリオド」や「2月の勝者」など。

私は10年間週刊少年ジャンプを読んできた経験があり、新連載から連載終了までの流れを数多く見てきた。だからこそ、三話くらいまでのストーリー展開を見てこの漫画は長続きするかしないかという予想にはある程度自信があった。しかし、久しぶりにガッツリ予想を外したのがこの鬼滅の刃だった。鬼滅の刃は私の予想では長続きしない漫画だったはずなのに、異例の大ヒットということで、流石に読まないわけにはいかなかった。どこで判断を間違えたのか、何がそこまでこの漫画をヒットさせたのかを知りたかったのだ。


※注意

この感想記事には多少の批評も含まれるが、あんまり怒らないでほしい。あくまでも一読者の意見として、そんな感じ方をする人もいるんだなぁと感じていただければと思う。

それでは本編の方いってみよう。

鬼滅の刃 あらすじ

まずは鬼滅の刃というのがどんな話なのかを整理しておく。このお話は、家族を殺され、唯一生き残った妹も鬼にされてしまった主人公の竈門炭治郎が、鬼殺隊という鬼を滅さんとする組織に入って妹を人間に戻し、この世から鬼をなくそうとする物語である。アニメ1期をみた人はこの少し先までは読めるかと思うが、あんまり読みすぎてネタバレにならないよう気を付けでほしい。そして、これから読もうと思っている人はこの記事をあんまり読みすぎないようにすることを勧める。それではいざ参る。

修行編

まずは修行編。この鬼滅の刃は、主人公の炭治郎が留守の間に妹以外の家族を鬼に殺され、残った妹も鬼になってしまうところから物語が始まる。鬼になってしまった以上鬼殺隊の滅殺対象となってしまった妹をなんとか救おうと、その場に居合わせた隊員の冨岡義勇相手に勝負を挑む。冨岡は実は鬼殺隊の中でも最高位の隊員であり、戦闘の初心者である炭治郎には当然負けることはなくボコボコにするのだが、そんな炭治郎を鬼になった妹が守るようにして闘うようになる。冨岡は、炭治郎の妹を他の鬼とは違うと判断し、逃す決断をする。

冨岡は去り際に鱗滝左近寺という人物の下へ行くように指示する。その指示に従い、炭治郎は鱗滝さんのもとを訪れる。そこで、鬼殺隊にはいるための修行を積むことになる。最初は全然強くなれず、鬼殺隊にはなれないのでは?と思われた炭治郎だったが、兄弟子の錆兎との不思議な出会いを経て成長。2年の時を経て鬼殺隊の一員となる。

十二鬼月戦 〜累〜

鬼殺隊に入隊した炭治郎はすこしずつ任務をこなしていく。その中でも最初に強敵として立ちはだかったのが蜘蛛の糸の血鬼術を使う十二鬼月「累」だった。累との戦闘は困難を極めるが、そんな死闘は炭治郎と妹に新たな力を開花させることとなる。しかし、新たな力を手にした炭治郎ですら十二鬼月には勝つことができず、死にかけのところを冨岡義勇に救われることになる。鬼殺隊の最高位「柱」である冨岡は炭治郎たちがボコボコにされた累を瞬殺する。

十二鬼月戦 〜魘夢&猗窩座〜

累との死闘を終えて傷ついた体を体を治しつつ、冨岡と同じ「柱」の一人である胡蝶しのぶのもとで修行に励む。修行の末、胡蝶しのぶの継ぐ子(愛弟子的な?)と渡り合うレベルになり、新たに任務に旅立つことになる。

ちなみにここまでがアニメ第一期。


その新しい任務では柱の一人煉獄杏寿郎と行動を共にすることになるのだが、下弦の鬼「魘夢」をなんとか倒した直後に上弦の参である「アカザ(漢字めんどくさくなりました)」との戦闘が始まる。下弦の鬼とは強さが違いすぎるアカザ戦は常に苦戦を強いられ、アカザとの戦いで、他の隊員を守るために炎柱の杏寿郎は命を落とすこととなる。

十二鬼月戦 〜上弦の陸 堕姫&妓夫太郎〜

アカザとの戦いを終えた後は、累との戦いを終えた時と同じ流れで、傷ついた体を直しながら修行し、また強くなり、任務に向かう。

次の任務では柱の一人、音柱の宇髄天元と共に上弦の鬼と戦うことになる。またまたアカザの時と同じように、炭治郎や町の住人を守るために天元は片目と片腕を失うこととなる。命を失うことなく上弦の鬼を倒すことができたのだが、天元は鬼殺隊の最前線から身を引くことになる。

ちなみに天元はかっこいい。

十二鬼月戦 〜上弦の伍 玉壺&上弦の肆 半天狗〜

えー、またまた累の戦いと同じような感じで、刀を作り直したり、修行をして過ごす。

刀作りは隠れ里的な場所で行われているのだが、炭治郎は新しい刀を求めて刀作りの里へ向かう。その里が上弦の鬼に襲われることになり、居合わせた霞柱の「時透無一郎」と恋柱の「甘露寺蜜璃」、同期の「不死川玄弥」とともに戦い、一人もかけることなく二人の上弦の鬼を倒すことに成功する。

上弦の参、弐、壱&鬼舞辻無惨戦

ここは...スピード感が凄すぎて文字にするのは少々難しいというか面倒だし、ネタバレ感すごいのでぜひ自分で読んで欲しい。

個人的な見どころTOP3

さて、一通り鬼滅の刃の振り返りが済んだので、ここからは個人的に「このシーンは熱かった!」っていうシーンを挙げていこうと思う。みんなも自分なりにTOP3を考えてみて欲しい。

3位 杏寿郎の死

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このシーンは良かった。初めて重要人物が死んでしまったのがこのシーンだったからだろうか、とても印象に残っている。杏寿郎の生き様は本当にかっこよかった。柱として後輩を守るだけでなく、次の時代に多くのものを繋いだ。どんなに傷ついても一切退くことなくアカザに立ち向かった杏寿郎の死は本当に痺れた。

2位 善逸VS獪岳

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善逸はずっとかっこよかったけど、兄弟子の獪岳との戦闘はとてもかっこよかった。善逸は作品全体を通して一つの型しか使えない珍しい隊員だった。善逸は一つの型しか使えなかったため、いつも兄弟子の獪岳に劣等感を感じ、同時に、2〜6の型を使いこなすことができた獪岳を尊敬していた。

そんな獪岳が鬼になったという手紙を読んだ善逸が急に修行から逃げなくなり、「やらなきゃいけないことができた。これは、俺がやらなきゃいけないことだ」と呟き、獪岳と戦い、壱の型しか使えない雑魚だと罵ってきた兄弟子の暴走を、自分で生み出した新たな型で止めたシーンは本当にかっこよかった。

なんだろ、普段温厚なキャラクターが急に怒るシーンとか、キャラのギャップが大きなシーンっていいよなぁって思わされました。

ってか「雷の呼吸 壱の型 霹靂一閃」ってそもそもとしてカッコよすぎません?

1位 上弦壱、弐、参&無惨戦

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まあそりゃそうだよな、ラスボスってのは絶対かっこいいもんだよ。まだ無惨戦が完全に終わった訳ではないんだけど、すでに熱い。あんなに強い柱たちが命を賭して全力で戦う。もうね、みんなかっこいい。

不死川兄弟の別れのシーンとか、あんなに弟を嫌っているようなそぶりをしていた兄が、実は弟を想っての言動だったとか、もう泣いちゃうよね。「お前は普通に成長して、普通に結婚して、普通に幸せになればよかったんだ...鬼なんか全部俺が倒して、お前の幸せは絶対守ってやるから...」みたいなとこ、泣けたね。カッコよすぎだろ。

戦闘後の伊黒と甘露寺のシーンとかやばいよね。他とは違う、力は強いし大食いだしっていう甘露寺を普通の女の子として愛した伊黒、「普通の女の子だったから俺は救われたんだよ」とか「次は絶対守って見せるから」みたいなシーンもとてもよかった。

行冥や無一郎の戦いもめちゃくちゃかっこよかった。特に半身を失ってなお喰らいついた無一郎と、行冥が「俺はもう助からない。俺に使うくらいならもっと助かる可能性のある隊員を救ってくれ」みたいなとこ。杏寿郎を思い出したなぁ。最後まで柱としての命を全うする姿は本当にかっこよかった。

個人的に好きなキャラTOP3

あんま理由とか書かないけど、好きだったキャラを並べておく。ちなみに順位に入らなかったけど好きだったキャラとしては、不死川実弥と胡蝶しのぶ。よければみんなにもコメントで教えてほしい。

3位 上弦の参 猗窩座

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初めて出てきた上弦の鬼。なんだろ、鬼ってどいつもこいつも人間食べて楽しいなぁみたいなただの欲望まみれのクソ野郎って認識があったのだが、猗窩座の過去は鬼なのに感情移入してしまうもので、純粋な強さを求める姿がとても悲しく映った。そして最後に首を切られてなお死なないという鬼の限界の超越のシーンで、人間だった時の記憶を思い出し死んでいった姿は敵ながらちょっと感動してしまった。

2位 冨岡義勇

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最初に出てきた強者。ずっとかっこいいのに、ちょこちょこ可愛いシーンあってギャップ萌え。冨岡さんってなんかクールで冷めた感じのキャラなのかと思いきや無惨戦すげー熱かったのがすごいよかったなぁ。

ただ、冨岡さんが炭治郎の一言で傷心を克服したシーンはちょっと薄かった...。錆兎との試験の話は良かったけど、結構傷心だったみたいなのに、案外軽く復活するんだなぁって思ってしまった。

1位 我妻善逸

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もうさ、ずっと泣き虫だった善逸が最後あんなにかっこよくなっちゃうなんてもうダメ。そんなんかっこ良すぎるもん。人の成長って本当にかっこいいよなぁ。ちなみに善逸のいちばんかっこいいシーンは獪岳戦、異論は認めない。

個人的に不満に感じた点

以下では、個人的に鬼滅の刃について残念に感じた点を軽く書いておこうとおもう。

キャラのパワーバランスが悪い

これは結構深刻な問題。少年漫画って、ある程度主人公の成長とともに順番に敵も仲間も強くなっていくのが好ましいと思っていて、あまりにパワーバランスがずれてると面白くない。

鬼滅の刃では仲間陣営が鬼殺隊、敵陣営が十二鬼月という構図になっているのだが、鬼殺隊は柱以外の隊員が弱すぎる。柱が圧倒的な強さというのはいいのだが、柱以外の隊員は炭治郎、善逸、伊之助、カナヲ意外が本当に弱い。びっくりする。累との戦いでは炭治郎たちが到着するまでに普通の隊員のほとんどが負けてしまっていた。しかも、本来新人で弱いはずの炭治郎たちが瞬殺できちゃうレベルの鬼にだ。正直こいつらはどうやって鬼殺隊の最終試験に合格したのだろうかと不思議でしかたなかった。後に、錆兎が自分の命と引き換えにその年の最終試験に参加した者全員を救ったという話がでてきて、そういうことなのかぁと納得したのだが、とにかく隊員が弱すぎるのは本当に問題だと思った。ちょっと強い鬼が出てきたら柱でないと倒せないというのは正直謎だった。鬼殺隊は強さごとに階級が十段階に分かれているはずなのだが、物語に出てきているのは最低級の隊員と最上級の柱のみだったので、パワーバランスが悪く見えてしまったのは当然のことなのだろう。もう少し間の強さの隊員を用意するべきだったと思う。

鬼側もパワーバランスが悪い。上弦と下弦に分かれているのだが、上弦の鬼はとてつもなく強いのに対して、下弦の鬼は中途半端な強さ。下弦の鬼は、鬼殺隊の普通隊員には全く負けないくらいには強いのだが、柱には瞬殺される。なんだろ、弱い鬼は弱すぎるし、強い鬼の中でも下弦の鬼は柱にとっては弱すぎる。にもかかわらず、上弦の鬼は強すぎる。戦うたびに柱が再起不能にされたり、殺されてしまう。上弦の鬼と下弦の鬼をもう少し連続変化で強さを調整して欲しかったなと思ってしまった。

物語の構成、キャラクターの過去がワンパターン

鬼滅の刃は物語の進み方が常に一定な感じがしてしまう。強い鬼が出てきて、勝てなくて、柱がきて倒して、怪我を負って、傷を直しながら修行して、また強い鬼が出てくる。この記事を書くために改めて物語を整理してみたらこのことに気付いてしまった。これは、少年漫画である以上は仕方のないことなのだが、鬼滅の刃はスピード感あふれる物語になっているので、このことに気づきやすくなってしまっているのだ。アンパンマンポケモンのアニメが、毎週全く同じように進んでいくことに気付いて、みるのをやめた小学生時代のように、この物語の構成に気付いた時は少し残念だった。

そしてもう一点、キャラクターの背景にある過去が大体一緒なのも残念だった。みんな家族を鬼に殺されて、自分だけ生き残ってしまった、みたいな設計になっている。それでは深い感情移入がしづらいのだ。特に私が大好きな漫画ワンピースでは過去編がすごくうまく作られていて、毎回感動するのだが、それくらいでなければ過去編というのは意味をなさないのではないかと思ってしまうのだ。NARUTOでも過去編が描かれるような重要キャラ(サスケやナルト、ペイン、我愛羅)などはしっかり作り込まれている。過去編というのはキャラクターに感情移入させるために重要な要素なのだが、誰しもに過去編を作ってあげる必要はない。より感情移入させたいキャラクターに作ればいい訳であって、柱だからと言って全員に過去編を作ってやる必要などなかったのだ。そこは少し残念に感じた。

ちなみに個人的に好きだった過去編は善逸と伊之助と不死川、そしてアカザあたり。

物語が悲しい!

これは難しいところなのだが、物語が全体を通してずっと悲しい。一話目から家族が殺されるし、せっかく認めてくれるようになった柱の先輩方は自分を守るためにどんどん死んでしまうし、過去編も毎回悲しいものばっか。そんなにどんどん登場人物を殺して、それでいてびくともしない無惨をみていると、死んでいった人たちが報われない感じがしてしまうのだ。

別に全てをハッピーなストーリーにしろとは言わないが、もう少し幸せな描写もあってよかったのでは?と思ってしまった。

鬼滅の刃はなぜ売れた?

最後に鬼滅の刃が売れた理由について自分なりに考えてみようと思う。正直鬼滅の刃の連載開始直後は、絵の未熟さや物語の暗さ、主人公の情けなさ等々を鑑みて、長続きしないだろうと考えていた。しかし、気づけば異例の大ヒットを記録していて驚きを隠せなかった。巷ではワンピースを超えただとか言われていて、生粋のワンピースファンとしては、あの時見限った鬼滅の刃がワンピースを超えている訳ないだろうと言い返したかったが、自分が読んでいないために根拠のない批判となってしまうことが悔しかった。そこで、読んでみれば鬼滅の刃の面白さが分かるのではないか、あの時三話までしか読まなかったから、四話以降で実はめちゃくちゃ面白い展開が待っていたのでは?と考え、実際に1から読んでみたのだが、最新話まで追いついた今でも、鬼滅がここまで大ヒットした理由がわからない。

しかし、いままでかなりの年数週刊少年ジャンプを見続けてきた身として、鬼滅のヒットの理由を考えなければと思い、完全にただの想像でしかないが、ヒットの理由を探っていこうと思う。

アニメの存在

どうやら鬼滅の刃はアニメがかなりヒットしたらしい。実際、アニメの主題歌「紅蓮花」はアニメを全く見ていない私でも聞いたことあるレベルで流行っていた。漫画というのは多くの場合、漫画の流行が先で、アニメ版は漫画以上にヒットすることは多くないのではないかと考えていたのだが、どうやらそんなことはないらしく、アニメが漫画の人気の火付け役となることもあるらしい。

実際にアニメも一期まるまる視聴したが、確かに漫画に比べると圧倒的に見やすくなっていた。漫画は絵の未熟さゆえに登場人物の見分けがつかないことがあったり、随所に作画の拙さを感じさせる部分があったが、アニメはそれがなかった。また、各キャラクターの必殺技もアニメだと綺麗に描かれていて見る者をわくわくさせる演出があった。特に雷の呼吸はそのスピード感がうまく表現されていてとてもカッコ良かった。

鬼滅の刃は、絵で表現しきれなかった部分、万人に理解してもらえなかった部分が、アニメを通して万人に理解されやすくなったおかげで、多くの支持者を得たのではないかと考えている。

物語のスピード感

週刊少年ジャンプというのは週刊誌という性質上ある程度物語のスピード感が失われるのだが、鬼滅の刃はかなりのスピード感が保たれている。次々に手に汗握る展開が訪れるという本作品のスピード感あふれる物語構成はヒットの要因ではないかと考えられる。読者を飽きさせないということは何よりも重要なポイントであることをうまく理解していたのかもしれない。

わかりやすくかっこいい必殺技

刀+必殺技はもう最強の売れっ子コンボ。少年漫画において各キャラクターがそれぞれの長所を生かした華麗な必殺技を使うことはとても重要であり、鬼滅の刃ではうまくキャラクターごとの技が設定されているのは見事。

水の呼吸、雷の呼吸、獣の呼吸などなど、さまざまな必殺技があり、どれも綺麗で大胆でアニメで見るとかなりハマります。そういった点もアニメとの相性が良かった要因の一つなのだろう。

インフルエンサーによる拡散

これは現代社会においてとてつもなく重要なポイント、アイドルやタレント、芸人などの爆発的な拡散力を持つ「インフルエンサー」が面白いですよ!と一言呟くだけで、大きな影響力がある。椿鬼奴さんをはじめ、私が好きな日向坂46や48グループなど若者に人気のあるアイドルグループのメンバーがファンを公言していることはかなり大きなヒットの要因だと考えられる。

作品内で一貫して掲げられている最終目標

物語において、この物語の最終目標が何であるのかが明示されていることは案外大事なのかもしれない。おそらく時代の流れとして、小説が読まれなくなり、漫画が読まれなくなり、一本一本が短編のバラエティ番組のようなYouTubeの視聴が娯楽の中心となってきたように感じられる。そういった現代社会において、流行を形作る若者は少しずつ飽き性になってきている。そんな飽き性の若者には小難しい話があまり受けず、むしろ一貫して最終目標がわかりやすくなっていたり、物語のなかで敵味方がはっきりしていて結末がある程度容易に把握できる物語は受け入れられやすいのではないだろうか。

鬼滅の刃は鬼舞辻無惨という全員共通の敵ラスボスが存在し、鬼舞辻無惨を倒すことと妹のネズコを人間に戻すのが最終目標とされており、一話目から最新話まで一貫して提示されている。そのため、今どれくらい物語が進んでいるのかがある程度わかりやすくなっている。現代の若者にうけいれられやすい物語の構造だったこともヒットの要因の一つになっていたのではないかと考えている。

終わりに

鬼滅の刃をずっと毛嫌いしていた私だったが、実際に読んでみると作品のスピード感も相待ってどんどん手が進み、気付いたら最新話まで追いつき、早く次が読みたい!という気持ちにさせられた。売れている漫画の売れている要因には内容以外の部分も数多くあると思っているが、とはいってもやはり内容が優れていなければこれほどのヒットはあり得ない。実際面白くないと思い続けていた私が手に汗握る展開に胸を高鳴らせ、すっかり鬼滅の虜になってしまった。

まあとにかく、「漫画は好きだけど今更流行に乗っかりたくない...でも興味だけはあるんだよなぁ」なんて思ってる人は、暇なときに軽くアニメを見てみるといいと思う。アニメを見て面白そうだな、ちょっと読んでみようかなと思ったら読んでみればいいし、やっぱり合わないなと思うならそれでいいと思う。ただ、読みもせずに漫画を批判したりすることだけはしないようにしてほしい。そして同時に、鬼滅信者の皆さんも、鬼滅の刃だけ読んで全ての漫画を分かった気にならず、ワンピースやナルト、ドラゴンボールスラムダンクなど、一通り名作と呼ばれる漫画は読んでみて欲しい。実はもっと面白い漫画があるじゃないかと新たな発見があるかもしれないし、逆にやっぱり鬼滅の刃が好きだー!と愛が深まるかもしれないから。