後に擬態をやめるニンゲン

平凡社会人一年生によるなんでもない毎日の気づき

忙しい人のための日経新聞 4月22日

忙しい人のための日経新聞

信頼の日本経済新聞 : 日経のメディア | 日本経済新聞社2020/04/22

銀行送金手数料 下げ検討

全銀協公取委報告受け 適切な水準探る

  • 記事概要

    銀行の口座間送金手数料をめぐって、公正取引委員会全国銀行協会が協議し、1年後を目処に手数料の適切な水準に設定することを目指している。

    現在、銀行間での送金には金額に応じて一定金額の手数料が振り込む側に付加される。この制度は約50年間見直されておらず、決定当初かかっていたシステム維持や送金手続きにかかる金額は大きく変化しているとのこと。

    実際、欧米諸国ではすでに送金手数料が撤廃されている例もあり、手数料をとる日本の仕組みはやや時代遅れとなりつつある。

    今後、協議の末手数料の引き下げが決定されれば、我々民間人にもキャッシュレスでお金の移動をする文化が訪れるかもしれない。

決済基盤 開放促す フィンテック参入後押し

  • 記事概要

    手数料の議論と並行して、銀行のみが参加を許されているシステムに、フィンテック企業なども接続できるようにするかどうかの議論も開始する。

    現在インターネットでのオンライン決算時に銀行口座との連携を拒否されることがある。今回公取委はそういった行為を独占禁止法に違反する恐れがあると指摘した。伝統的に銀行が独占してきた決済インフラの解放を促し、フィンテック企業の参入を後押しする狙いだ。

    ただし、誰にでもシステムへの接続を許可する仕組みとなれば、安全性が懸念される。これまで銀行口座関連では大きな失態をしてこなかっただけに、慎重に協議が進められるだろう。

私見

この記事で重要なポイントは手数料の是非ではなく、銀行システムにフィンテック業者が容易に接続できるようになることで、フィンテックのサービスの質が向上し、かつ消費者側のコストも抑えられるようになることで、これまでガチガチだった銀行一強体制がくずれ、競争が生まれる可能性がある点だ。

また、銀行は今まで口座の維持費等を徴収するのが困難だったが、こうしたフィンテックとの連携により、消費者にとって利便性が向上すれば、もしかしたら口座維持のための手数料を取る仕組みができるかもしれない。

これから先、金融業界に新たな風が吹くことに期待といった感じでこの記事については終わりにする。

対面指導 崩さぬ文科省

オンライン授業に壁 高校の単位認定制約

  • 記事概要

新型コロナウイルスの感染拡大による休校が長期化する小中高校で、学習の遅れを防ぐオンライン授業の導入が進んでいないことが、日本経済新聞の調べで分かった。対面指導なしでは原則、単位として認めない文部科学省の規制が高校側の消極姿勢につながっている。一部の自治体が実施を計画していることから地域による学力差も生じかねず、生徒や保護者らが教育機会の均等を求める声は切実だ。

以下略

日経新聞2020年4月22日朝刊より

日本 世界の対応と比べて遅れ

  • 記事概要

国連教育科学文化機関(ユネスコ)の集計によると、21日時点で190カ国・地域以上が全国規模で学校を閉鎖しており、15億人以上の生徒らに影響が出ている。日本のように対面授業の縛りがきつくない各国では、オンライン授業実施の動きが相次ぐ。

米国は州ごとで教育課程を設けている。大半は対面授業を前提に「最小授業日数」を定めているが、試験の成績次第で進級や進学は可能で、オンライン授業も学習成果として算入される。ニューヨーク市は感染拡大後、30万台のiPadを用意して貸し出すなどした。

以下略

日経新聞2020年4月22日朝刊より

私見

  • とにかく日本の平等主義体制が足かせになっている。オンライン教育を柔軟に認める体制を整えるべき
  • そのために、日本の単位認定の制度について今一度考え直す必要あり
  • こういったオンライン授業を進めるにあたって、いろんな法整備がなされていくように、いままで手付かずになっていて凝り固まっている法制度が解されていく流れができららいいなと思う。

銀行の外債運用 4割がBBB格

日銀「堕天使格下げのリスク指摘」

  • 記事概要

新型コロナウイルスの感染拡大に伴う世界経済の混乱が邦銀の有価証券運用を直撃する恐れがある。日銀は21日公表した金融システムリポートで、銀行の持つ外債の約4割は投資適格級の中で最も格付けが低いトリプルB格だと指摘した。景気が悪化し、市場などで「堕天使(fallen angel)」と呼ばれる投機的水準に陥る格下げが増えている。日銀は実体経済から金融システム不安につながるリスクに強い警戒感を示した。

以下略

日経新聞2020年4月22日より

簡単に記事をまとめると

銀行は保有している債権を回収できないリスクを抱えている。

なぜなら、銀行が持っているのは、経済危機に対応できるような財務の安定した企業ではなく、低格付けで信用リスクの大きな企業だからだ。

このコロナショックによってアメリカでは多くの中小企業で業績悪化が深刻となり、格つけ会社による、格下げが行われている。格下げによって一気に価格が下落し、中小全滅とならぬよう、米中央銀行FRBは格下げされた企業の債権を購入し、市場はいったん安定した。

このままコロナショックが長期化すると、銀行が債権を回収できず大きなダメージをくらうとみられており、この先さらなる危機につながりかねない。

私見

コロナショックはしばしばリーマンショックと比べられてきたが実際には性質が異なる。

リーマンショックでは金融の不良債権が発端で実体経済に大きな影響が出た。それに対してコロナショックでは外出規制などを通して実体経済が滞ることで金融システムに影響が出る可能性がある。

じゃあ同じような実体経済を発端とするものとして自然災害などが考えられるが、3.11の時と同じかと言えばこれも違う。コロナは被害が世界的なものである上に、かなりの長期戦となっている。明確な収束の条件も見つかっておらず、この先の展望がなかなか見えてこない。

これから先コロナの収束の条件として、EUは次の3つの条件を挙げている。

  1. 感染拡大の鈍化
  2. 大規模な検査能力
  3. 十分な医療体制

日本は検査も医療も世界各国に遅れをとっているとみられており、早急に対応することが求められている。

GAFA危うい楽観

世界的な経済活動停止の真っただ中、話題作りの達人である米アップルが16日、控えめながらも廉価版スマートフォンiPhone(アイフォーン)」の新モデルを発表した。大量採用を続けてきたことがウォール街で話題になってきた米グーグルは15日、欠かせない新規人員を除き新規採用を打ち切った。経費削減を掲げる企業が圧倒的に多い中、米アマゾン・ドット・コムは逆にアクセルを踏み込む。新規採用目標を13日までに計17万5000人に引き上げたことで、株価は最高値を更新した

AMAZON採用増 株価も増

世界の様々な企業の業績が悪化していく中でも大きく株価を伸ばしているアマゾン。採用人数を増やすことも決定しており、AWSによるクラウドサービスの王、そして小売最大手としての地位はより強固なものになっている。

これまで即日配送体制の実現や高品質のクラウドサービスの安価提供に向けて膨大な投資をしてきた分、今回のコロナショックにもうまく対応することが可能となっている。

GOOGLE 積極採用姿勢崩す 広告費減問題視か

これまで積極的に採用を行ってきたGoogleがついに新規採用を凍結した。Googleは創業以来初の減収になりそうな業績悪化に直面している。旅行・イベント広告がほぼなくなったほか、中小企業・ローカル広告も壊滅状態に陥っている。

とはいえ今回のコロナで染み付いたデジタル消費の習慣はコロナ収束後も続くとみられており、株価反発の局面には一気に押し返すと考えられている。

APPLE SE発売決定は見切り発車?

アップルは16日、廉価版iPhoneの新モデルを発表した。店舗が閉まっていて多くの見込み客は職を保てるかどうかを心配している時期ではあるが「とりあえず出してみよう」という雰囲気があったという。アップルはもともと発売を予定しており、製造元の中国で生産活動が活発になってきたことから発売を控える必要があまりないと判断したのだろう。この低価格版iPhoneがあらたな顧客層を取り込めるかが注目されている。

しかし市場にとってはこの廉価版iPhoneはさして重要な材料ではないという。なんでもウォール街がもっとも注目しているのは9月に発表が見込まれている「5G」対応のiPhoneだからだ。中国の後を追うことができるのかが鍵となっており、まもなく生産体制に入るとみられる。コロナの影響もあり先行きが見通しにくい中、アップルの幹部は難しい判断を迫られている。

感想

現在GAFAは世界にとってとてつもない存在感を示している。コロナショックで全企業がダメージを負っているものの、相対的にも絶対的にもGAFAのダメージは他の企業に比べて小さく、彼らの業界トップとしての地位はより一層強固になる可能性が高いと考えられる。

豪政府、ヴァージン見切り

外資系」赤字続きで距離 経営破綻 LCC&コロナ打撃

  • 記事概要

    オーストラリアの航空2位、ヴァージン・オーストラリアが21日、経営破綻した。新型コロナウイルスの感染拡大による経営悪化で再三にわたって支援を要請してきたが、豪政府は赤字続きで再建が難しいと判断。株主の9割が外資であることもあり、見切りをつけた。世界の航空会社も経営は厳しさを増しており、今回の破綻は政府との距離が企業の生殺与奪を左右することを浮き彫りにした。

    まず、オーストラリアの国内シェア2位であるヴァージン・オーストラリアが経営破綻した。

    その原因としては、コロナショックによる国内外移動の需要が激減したことはもちろん、LCCの台頭によるものが大きい。しかし、本質はそこではなく、国がヴァージンを見捨てたというのが本記事のポイントである。

    ヴァージンは感染症の拡大を受け、3月下旬より全国際線の運行を休止、国内線も9割減らした。3月末には資金繰りが悪化し、豪政府に対して14億豪ドルの支援を要請したが、政府はこれを拒否した。ヴァージンは直前まで政府に支援を懇願したとされているが、いずれも拒んだのだろう。

    ではなぜ政府はヴァージンを見捨てたのか。モリソン首相は簡単に言えば「民事不介入」との姿勢を示していたのだが、これは表向きの理由であり、実際は実質外資企業のようなヴァージンを国が救ってやる義理はないと判断したと考えられる。

    ヴァージンはシンガポール航空エティハド航空、中国の南山集団と海航集団の4社がそれぞれ2割ほどの株式を握っており、外資系の企業だとの認識があった。また、ヴァージンは2000年に参入したばかりでカンタス航空に比べると歴史が浅く新参のイメージがつきまとうことも政府が助けたがらなかった要因の一つだろう。

    こういった歴史的な経済危機の際、企業の生死を握っているのは個人投資家でも機関投資家でもなく、「政府」だということが改めて認識されることとなった。

補足 世界の航空会社

きっとこの記事を読むと、日本ではJALANAはどうなってるんだろうかとか、世界ではどうなってるんだろうかと気になるかと思うので、世界各国の航空業界への支援について軽く整理しておく。

  • 日本

    ANAJALが加盟する業界団体が支援を要請し、政府が対応策を講じているとのこと。具体的な支援策や金額はまだ決まっていないが、とりあえずは乗り切れそうか?

  • アメリ

    アメリカン航空デルタ航空などに1兆円規模の支援を決定。世界的な大物投資家ウォーレンバフェット氏がデルタ株を売りに出したことで不安もあったが、アメリカもなんとか耐えそうか?

  • イギリス

    ヴァージン・アトランティックが5億ポンドの貸付を要請しているものの決着はついていない模様。オーストラリアに続いてイギリスのヴァージンも怪しいのか?

  • シンガポール

    シンガポール航空の緊急資金調達に政府投資会社が対応。こちらも金額は明確にわかっていないが、政府は支援に肯定的とのことで、なんとか乗り切れそうか?